響圭子刑事(藤田 美保子)『Gメン’75』

元々は警視庁の外事課所属(欧米圏担当)。英語、フランス語、語学堪能な才媛である。Gメンに加入する前は、フランス、ベルギーで国外犯罪捜査で活躍していた。階級は巡査に相当する。 

第1話「エアポート捜査線」では、黒木警視から直接の密命を受けスチュワーデスに扮した潜入捜査で、津坂刑事や関屋警部補を煙に巻きつつ、最終的には事件解決に大きく貢献した。

第86話「パリ警視庁の五百円紙幣」では、語学と捜査において、鮮やかな活躍を披露している。

第60話「暑い南の島 沖縄の幽霊」、第61話「沖縄に響く痛恨の銃声」では、同じ日本人であるにもかかわらず、アメリカ高等弁務官布令の惨劇を知らずに沖縄の状況を理解していない内地の人間として、沖縄県民から憎しみや悲しみの対象とされた。

第47話「終バスの女子高校生殺人事件」では、自分にあこがれる女子高生と出会い、その女子高生・三浦春子(遠藤真理子/演)に、警察手帳を持ち軽犯罪を撃退しながら正義感を説いたために、後日、響刑事の教えを純粋に守り警察手帳を持たない無防備な女子高生は、暴力で無残な殺され方をしてしまうという理不尽を経験、多くの苦悩に直面した。

第103話「また逢う日まで響圭子刑事」では、犯罪組織にコネクトする目的で、おとり捜査の対象として、刑事である響の正体を伝えず友人として藤波リサ(鶴間エリ/演)を利用するが、リサは警戒した犯罪組織に殺されてしまう。自らの責任を感じ、悲しみと後悔の念を封じ込め真犯人を追い詰める。しかし、逮捕寸前、犯人は出国。黒木警視の采配により、インターポールへ転属となり、国外逃亡した真犯人を逮捕するために、Gメンを去る。

第2話「散歩する囚人護送車」では、乗馬の魅力的なスタイルで登場。勝気なアウトドア女性、おきゃんな活発なキャラクターを披露した。ギャング一味が占拠している牧場で、馬に乗って颯爽と登場する活動的な面が見られた。乗馬の腕もなかなかのもので注目ポイント。

第8話「裸の町」などでも、得意の潜入捜査を敢行しており、お茶の間を魅了した。 初期の響刑事は、落ち着いた雰囲気の女性Gメンというより、くるくると表情が変わり、流行にも揺れる、喜怒哀楽も美しい、小悪魔的、可愛い女、という印象だ。当時の週刊誌記事では、番組スタートにあたって「派手なアクションと目のさめるようなファションをお見せします」とハッスルしていたり、語学堪能で、インターポールにも顔が広い、国際的な視野にたつ警視庁外事課勤務の女性刑事という、スポーツ万能、大の男を軽々と投げ飛ばしたりする設定で、お茶の間を魅了した。

注目ポイント。アクティブで開始した響刑事の登場回は、進むにつれ、アクション一辺倒ではない繊細な女性としてのたおやかな細やかさ、芯の強さ、相手が強い立場の人間であろうとも、臆することなく巨悪に真っ向から立ち向かう脚本と映像化になる。

第49話「土曜日21時のトリック」では、殺人をおかした悪徳弁護士と対峙。取調室での心理戦に視聴者はくぎ付けになる。

第92話「女の留置場」、第103話「また逢う日まで響圭子刑事」でも、犯罪者との心理的な闘いが描かれており、彼女の心の強さがにじみ出ており、美しさに花を添えた。

第59話「東京-沖縄 縦断捜査網」からの沖縄シリーズでは、沖縄の人々の苦難の歴史を知らずに現地入りし、さまざまな憎しみ恨み哀しみとぶつかり、傷つきながも捜査を続け、本土の人間には理解できない現実を受け入れながら、Gメンとして悲しみと痛恨の銃弾を放つ姿が、印象に残る。

第79話「24749の遺体」、第97話「嫁・姑・孫の戦い」では、周囲への温かみのある思いやりと接遇が、ハードボイルドなGメンにおいて、物語の中で、美しい光を放つ存在であると感じた。

第47話「終バスの女子高校生殺人事件」のように時として、良かれと思ってした行為が裏目に出てしまうこともあり、苦悩を抱くことも見受けられた。

第66話「警視庁の中の密室殺人」では、ハードボイルドになりきれない人間性が露呈。時に、Gメンの捜査に疑問を感じ、警察組織の手法に反発することもある、熱い心と強い意志のある女性の姿を垣間見せた。このような響刑事の姿は、現在も色あせず鮮やかで、多くの視聴者の心を捉えて離すことはない。そんな響刑事であるが、幾度となくピンチに陥ることもしばしば。 

第3話「警官殺し!」、第6話「コルト自動拳銃1911A1」、第16話「Gメン皆殺しの予告」、第21話「ニューヨーク市警黒人刑事」等々、敵の罠に落ちたり、幾度となく危機的な状況に陥る場面も多く、視聴者と黒木警視を幾度となくハラハラさせた。

第40話「硫酸とビキニの女」では、目に硫酸のしずくを浴びてしまい、視力がないまま、迫り来るナイフを振りかざす老婆と、謎の多い洋館で対決した。

第55話「Gメンの首」では、ニトロと男の首を持ち執拗に響刑事に粘着追跡する謎の女にとらわれて脅迫を受け、黒木警視に銃口を向けざるをえないという、重大な危機を迎えている。

第13話「バスストップ」では、ロマンスとして、唯一、響刑事は胸をときめかせた。その男性は警視庁の潜入捜査官・鷲見だ。しかし、響刑事の願いもむなしく、潜入捜査中の彼は、響刑事の目の前でテロリストの一味として狙撃隊に銃撃されてしまい悲恋の結末を迎えた。

放映当時の時代背景。1975年、Gメン75放映当時、響刑事に憧れて婦人警官(現在は女性警察官)を目指す女性が増えたという。婦人警官というと、男性のサポートをする添え物的な扱いという昭和的な風潮が当時の刑事もので描かれているが、Gメン75において、響刑事は常に1人の人間として動く悩む進むという脚本描写は非常に鮮やかであり、新しい時代の訪れを感じさせた。


 

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